まえがき クリスマスは大嫌いだった!
「何のためにボクは生まれてきたのだろう」
私は、子供の頃、クリスマスが大嫌いでした!
子供はふつう、クリスマスが好きだと思いますが、私は嫌いだったんです。それは、クリスマスのいい思い出なんて、ずっーと持っていなかったためです。
実は、私が親と暮らし始めたのは小学生のときからなんですね。
両親が3歳のときに離婚したのですが、2歳のときに別居してからというもの、父や母の実家、親戚や知人の家、預かってくれる施設など、転々と預けられていました。
その預けられた先によっては、いつ殺されるかわからないようなひどい虐待を毎日のように受けていたことも。精神的にも肉体的にも傷ついていて、3歳のときから10円ハゲができていたほどでした。
そのため、母親と一緒に暮らせるようになったときほど、うれしかったことはありません。しかし、母は女手ひとつで私を育てていかなければなりません。毎日、帰りは深夜、週末も仕事で出かけていたほど。だから、私は毎日アパートでひとりきり。クリスマスであってもひとりで過ごしていました。
大人になった今なら母の苦労や大変さもよくわかるし、感謝していますが、当時は
「何のためにボクは生まれてきたのだろう」
「何でボクだけ愛されないのだろう」
とばかり思っていました。
だから、私は誰よりも「認められたい」「わかってもらいたい」と必死に『自分の居場所』を探してきたと思っています。今となっては、この経験は仕事にも人生にも役立っていますが、当時は本当に必死でした。
人は『自分の居場所』を探している!
「自分のことをわかってほしい」
「もっとオレのがんばりを認めてほしい」
「ボクのことをちゃんと信頼してほしい」
「私のことを誰よりも大切にしてほしい」
今の世の中、『自分の居場所』を探している人は本当に多いです。それは、『自分の居場所』がないと感じている人が多いからです。
いつも朝早くから、夜遅くまで一生懸命仕事をしているにもかかわらず、休日家でゴロゴロしていたら妻に邪魔者扱いされたり──。
毎日毎日、子供の送り迎え、洗濯、掃除、買い物、ご飯作り、風呂入れ、アイロンがけ、寝かしつけなど、育児や家事でホント疲れているのに、夫には自分の大変さを理解してもらえなかったり──。
今の仕事に夢中になって、男性にも負けずがんばっているのに、
「早く結婚してちょうだい! お母さん、もう近所で恥ずかしいわ」
と顔を合わせる度にグチグチ言われたり──。
会社で遅くまで残業したり、休日も返上して誰よりも会社のために働いているにもかかわらず、
「何で自分のことをもっと認めてくれないんだろう」
「どうして結果だって出しているのに、アイツの方がボーナスが多いのだろう」
と感じていたりする。
家庭でも会社でも、もっと言えば、恋愛関係や友人関係でも、自分のことをわかってもらえていない、認めてもらえていない、大切に扱ってもらえていないと感じている人が多いのです。あなたもそう感じているかもしれません。
自分のことをわかってもらえない!
実は──
家族がバラバラになるのも、
恋人が離れていくのも、
子供が親を恨むのも、
信頼していた部下が辞めるのも、
──原因の大部分は、
「自分のことをわかってもらえなかった」、
「自分のことを大切に扱ってもらえなかった」
という想いです。
しかも、多くの場合、ちょっとした『言葉』や『行動』が原因なのです。
もしも、あなたが、
「『自分の居場所』がほしい」
「自分のことを認めてほしい」
と思っているなら、『言葉』や『行動』を少し変えてください。それだけで、あなたの人生は大きく変わるはずです。
自分の居場所なんてなかった!
前述したように、母は女手ひとつで私を育てていかなければならなかったので、私は毎日毎日アパートでひとりきり。寂しく、話したいことがあって母の帰りを起きて待っていたことも。だけど、
「何してるのよ! もー早く寝なさい!」
と、起きていたことを叱られるだけ。
「今日、学校で……」
と言っても、
「明日の朝、聞くから」
と翌朝も聞いてもらえたためしがありませんでした。
友達もいなかったので、ロクに話す人もいませんでした。
学校が春・夏・冬の長期休みに入る度、静岡に住んでいた伯父の家に預けられました。終業式が終わった後に東名バス(東名高速のハイウェイバス)に乗せられ、帰ってくるのは始業式の前日。今なら母の気持ちや苦労もよくわかりますが、そのときは「ボクはジャマもの」という感じしか受けませんでした。
正直、私は伯父の家に行くのがイヤでした。
なぜなら、3歳下のいとこが、やることなすこと、すべて私のせいにするからです。たとえば、いとこが今日の夜、ハンバーグが食べたいとなると、
「ひろちゃんがハンバーグ食べたいんだって! それ以外はいらないって言ってるよ」と伯母のところへ行き、言うのです。
「ひろちゃんが、メロン食べたいんだって!」
「ひろちゃんが、お腹空いたからご飯早くしてだって!」
そんなわがままいっさい言ってないですよ!
いとこは自分が怒られそうになっても、
「だって、ひろちゃんにやれって言われたんだもん」
「ひろちゃんに(おもちゃを)投げろと言われたんだもん」
などと言うのです。
たまったもんじゃありません!
「ここはKちゃんのウチなんだから! ひろちゃんのウチじゃないのよ!」
と伯母に怒られたり、嫌味を言われたりする。だから、子供心にいとこのご機嫌をうかがわないといけないし、心の中で「ボクじゃないのに!」「ボクのことだってわかってよ!」とどれだけ願ったかわかりません。
こんな自分だからわかるんだ!
しかも、小学3年生のとき、伯母が伯父に私のことを
「ひろちゃんは、わがままだから大変!」
などと話していたのを聞いてしまったんです。
ものすごいショックでした!
なんとなくわかっていたことでも、言葉でハッキリ聞くと、自分が完全否定されたようで、言葉ではあらわせないほどの悲しみが訪れました。
伯父や伯母を責めているのではありませんよ。逆に2人には感謝してもしきれないほどです。いろいろよくもしてもらったし──私だって家族を持つようになってからわかるのですが、私に兄弟はいませんが、もし弟の子供を長期間預かってって言われたら、やっぱ嫌ですもん。しかも、春・夏・冬の休み期間中ずっーとですよ。それを伯父と伯母は受け入れてくれたのです。
私にはずっと『自分の居場所』がなかった。
そして、いつも『自分の居場所』を探していたのです。
こんな私だからこそ、どうすれば『自分の居場所』が作れ、どうすれば自分の大切な人の居場所感を作ってあげられるのかがわかるのです。
人が孤独感を感じるのは、何か大きなことをやったときではありません。ほんのささいなことです。
話をちゃんと聞いてもらえなかった。
信じてもらえなかった。
自分の話より、テレビや電話を優先した。
ちょっとした約束を守ってもらえなかった。
自分だけがやっているように言われた。
──こんなことです。
私たちは自然と相手を大切にしない言葉を使い、行動をとってしまいがちです。
本書では、多くの人が日頃やってしまう『自分の居場所がなくなる9つの行動』と、相手にわかっている、認めている、大切にしていることを伝える『自分の居場所を作る9つの行動』で構成されています。
ぜひ、お楽しみください!
私は実践派です。ですので、本書では実践に基づいた具体的な内容で、さらにあなたのものになるよう工夫をしています。
各ページの上には折り線がついています。読んで、実践したものには角を折り曲げるようにしてください。
あなたが角を折ったページが多くなればなるほど、あなたとあなたの大切な人の人生は間違いなくハッピーになっていきますよ!


