ベ・ドンチョル/チェ・ユンシク 著『富の未来図』発刊記念・大好評アマゾンキャンペーン延長! 2/4(金)まで アマゾンで購入し、当サイトで登録していただくと対談PDF『2020年までの有望な投資先』をプレゼント

なぜ、今後20年で金融危機は5回起こるのか?

皆さん、2008年に世界経済を襲ったグローバル危機を覚えているでしょうか?

著者は言います。
「今後20年で金融危機は5回起こる!」

この本では、そのような未来に備え、
今後20年間で「富の移動する場所」を解明し、
未来の「政治」「経済」「金融」「ビジネス」わかりやすく解説します。


今回のテーマは
「2030年の宝地図」

実は、お金持ちとは好運にも「富のある場所」にいた人のこと。
ですから本書では、今後20年で「富の移動する場所」を解明し、
お金持ちになるための「生き方」「働き方」「資産運用」を具体的に解説!


しかも…

菅下清廣氏解説!
(ベストセラー「新しい富の作り方」「2011年まで待ちなさい!」の著者
 外資金融機関で要職を務めた国際金融コンサルタント)

本書は、先読みのプロで知られる、
外資金融機関で要職を務めた、菅下清廣氏が解説。

その中で、
「富の未来図」3つの点で優れている!
と解説をしてもらっています。

ビジネスや投資の成功者たちは、好運にも「富のある場所」にいあわせた人たちです。特別な能力があるわけではなく、最高のタイミングで「富のある場所」にいた人たちなのです。
 ですから、「富のある場所」がどこなのかさえ知ることができれば、だれでも大金持ちになれるのです。実際、「富のない場所」でいくら努力しても、報われることはありません。そういった意味でも本書のような未来予測の本は大いに役立つことでしょう。
 本書『富の未来図』は3つの点で優れています。
 1つ目は、単なる未来予測の本ではないという点です。もちろん、権威ある未来学の博士が書いた本であり、未来を予測するものです。
 ただし、国際金融の専門家の立場から言わせていただくと「優れた歴史書」にも思えてくるのです。特に前半部分の金融の歴史に対する考察は、今後、私が仕事をしていく上でも参考にしたいと思える内容になっています。
 なぜ、私が「優れた歴史書」という言い方をしたかというと、予測を的中させる人の多くは歴史を知っていることが多いからです。私は、大和証券に始まり、メリルリンチ、キダー・ピボディ、ラザード・ジャパン・アセット・マネージメントという欧米トップクラスの金融機関で実務、金融戦争(マネーウォーズ)の現場を体験してきました。そして、そこで出会った投資のプロ中のプロたちは全員といっていいほど、歴史を勉強していたのです。
 ですから、本書『富の未来図』が歴史について書かれている点からも、その内容がとても信用できるのです。
 2つ目は、具体的な方法が書かれているという点です。「資産運用の具体的な方法」「富の管理システムの作り方」「どの分野が有望か」「世界勢力図から見る有望投資先」「どういった能力を身につければ、職に困らないか」「これからの働き方」…などが書かれてあり、読んだ人はすぐに行動できるようになっています。
 3つ目は、とても分かりやすく、面白く読めるという点です。多くの未来学の本はかなり難しい内容ですが、本書はとても読みやすくなっています。未来予測というと、「未来を的中させるなんてことできるの?」と思われるかもしれませんが、現在はかなりの確率で的中させることができると言われています。ぜひ、この機会に未来学の本に触れてみてはいかがでしょうか。

…このような解説をいただいてます。

また、企業名を出せないのが残念ではありますが、
多くの世界的企業が本書の内容を絶賛しております。

なぜなら…

多くの成功者が学ぶ『未来学』とは?

皆さんは、世界的ベストセラーとなった、
アルビン・トフラー『第三の波』ジョン・ネスビッツ『メガ・トレンド』
という本を知っていますか?

これらの本は、未来を予測した本として世界中で話題になり、
『未来学』とよばれています。

成功者は知っているのです。

「実は、『富のある場所』にいた人たちがお金持ちになっているのです。」

才能があっても、努力ができても、
そこが「富のある場所」でなければお金は生まれません。

だから、世界中のCEOや投資家は『未来学』を学んでいるのです。

さらにいえば、
才能がそこそこで、努力をしなくても、
未来学で「富のある場所」さえ分かれば、
お金は勝手についてくるのです!


本書では、
最新の未来学が解明した「2030年の宝地図」を公開し、
お金持ちになるための「生き方」「働き方」「資産運用」までを教えます。


さらに…

本書の内容「〜未来におこること〜」をつぶやいています。

読者限定!日本初の資料を無料プレゼント!

今回は購入者限定で、
多くの世界的企業も学んだという「2050年までの未来年表」という資料をプレゼント!

本書で明かした、2030年までの未来に加え、さらに、2050年までの未来の情報を公開します。

<※こちらは本書巻末より申込のご案内をしている特典になります>

さらに、
今、本書『富の未来図』アマゾンで購入頂くと、
〜本書の著者の1人であり「アジアのグローバルリーダー」〜ベ・ドンチョル×〜外資金融機関で要職を務めた 国際金融コンサルタント〜菅下清廣による対談〜ドルマネーバブルの次にくるバブルは?〜『2020年までの有望な投資先』
期間限定でプレゼントします。

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第1章 富の歴史と富の未来
〜「富の効果」の時代が終わり「所得効果」の時代へ〜

「富の効果」から「所得効果」へ

 2008年のグローバル金融危機以後展開される新しい未来に、個人、企業、国家はどのように対処しなければならないのか。未来において富を創出するためにはどうすればよいのか。
 まさにこれがこの本を通じて伝えようとしていることの核心である。
 「資産価格が上昇するにつれて消費が増加する『富の効果』によるアメリカの経済成長は終わった。アジアもアメリカのこのような状況に対して危機感を持たなければならない」
 2007年、「世界知識フォーラム」におけるスティーブン・ローチ(モーガンスタンリーアジア会長)のこの発言には、未来の富に関する重要な指摘が含まれている。ローチ会長は、サブプライムローン問題が起こる1年前から、2008年頃のアメリカの住宅市場で深刻な問題が起こり、これによってアメリカの消費者は急激に財布の紐(ひも)を締め、全世界の消費市場に深刻な打撃を与えるだろうと警告していた。
 中国の消費は現在、アメリカの9分の1に過ぎないため、世界経済を導いていくことは不可能だと指摘しており、全世界の消費を導いた「富の効果」が終わり始めていることを真剣に警告したのである。
 それから2年が経った今、私たちは資産バブルと信用バブルという、2大バブルの同時崩壊から発生したグローバル不況を経て、富の効果がすっかり幕を下ろした時代を生きている。ローチ会長の言う富の効果(Wealth eff ect)とは、産業が発展することで所得が増加するのではなく、不動産と株式市場の好況による資産価格の上昇を基盤としながら、消費が増加することを意味する。
 実際、2007年にアメリカの消費者は、民間GDP比72パーセントまで消費し、過去30年間で最高の消費規模を見せていたし、アメリカの住宅価格は歴史上最高価を連日にわたって更新していた。一方で、金利はますます低下したため、アメリカ人は住宅を担保として多額の現金を借り入れ、消費を重ねていた。
 2000年代前半には、アメリカだけでなく、一部の先進国や新興国でも、不動産や株式などの資産市場の好況期が持続していたことから、資産市場で稼いだ、もしくは稼げると予想した資金を基として、消費を増加させる状況にあった。まさに「富の効果」による経済成長が全世界を養っていたのである。
 当然、このような方法の消費と経済成長は永遠に続くことはないので、結局、そのバブルがはじけて発生した2008年のグローバル金融危機により、全世界が被害を被ることになった。
 これからの未来社会は、富の効果が終わりを告げ、新しい所得創出を通じて富を創造する時代になるだろう。「富の効果から所得効果(Income eff ect)への転換」ーーこれが未来の富を理解して自らのものにするための核心にならなければならない。富の効果は所得效果に主役の座を明け渡すことになり、豊富な金融知識を備え、安定的で保守的な資産運用を通じた富の管理(Wealth management)という付加的な手段に変わるようになる。これが危機以後、私たちが直面している新しい富への道である。
 なぜそうなるのか。私たちはどうすればよいのか。この本を通じて私たちは次のような質問に対する答えを導き出したいと思う。

超大型の危機の波が来る!

 最近私たちは、その幅と深度を予測することさえ困難な、不確実性が日々増大する時代を生きている。金融危機以後、迫り来る未来は、数えきれないほどの不確実性を私たちに宿題として突きつけてくるだろう。私たちの生存を左右する重要な選択を強いる深刻な問題が、襲いかかってこようとしているのだ。
 アメリカが数十年にわたって牽引(けんいん)してきた既存の世界秩序の軸がぶれ、社会と経済、国際的※ヘゲモニーに新しい変化が起こっている。もちろんその過程において、強国間における高度な政治的駆け引きが繰り広げられる兆候がうかがわれる。
 また、深刻なスピードで進行している環境問題による人間への自然からの攻撃、化石エネルギーの枯渇によるエネルギー不況の可能性、これによる新しい代替エネルギーの早急な必要性を巧みに利用し作られつつあるもう1つの金融バブル、サイボーグおよび人工知能技術の進歩を起因とした人間の存在論的問題、※幹細胞技術とその他生命工学技術などに起因する生命倫理をめぐる対立と葛藤(かっとう)を抱えている。
 そんな中で、バーチャルリアリティ技術の発達による多様な人格と意識の出現、産業移動を通じて※デカップリング化される労働市場とそれによる失業と信用崩壊、急速に進行する国家間の格差によるグローバルな貧困問題と、平等を求めて引き起こされる地域紛争や国際的テロの増加、異宗教間の対立と葛藤、文化圏の衝突など、数多くの未来への課題を、私たちはどのように切り抜けていかなければならないのか。
 このような深刻な問題への挑戦と、こういった環境の中で発生する混乱を伴った社会変化は、当然、個人や企業の生存環境と未来の富に大きな影響を及ぼすに違いない。仮想意識、仮想国家、仮想企業、仮想学校、仮想家族など、人類史上経験したことのない新しい空間から生み出されるおびただしい変化の波も、未来の経済と金融環境に新しい危機とチャンスの波動をもたらすエネルギーとして作用している。
 一言でいうと、未来の社会、経済、金融環境に巨大な変化が迫ってきているということである。変化の中で、さらに多くの人々が、死の衝動を感じるほどの危機を経験するだろう。さらに多くの企業が大きな障壁に直面するだろう。さらに多くの国家が深刻な社会的、経済的な混乱を経験するだろう。国家内では、精神的な疾病にかかる人々が増加し、倒産する企業が続出して、あらゆる国家で政権が倒れるだろう。
 このような変化を引き起こすおびただしい危機の大波が、すでに世界各地で起こっているようにみえる。しかし、それとともに新しい富の創出機会も確実に生まれている。これらについてもう少し詳しく説明することが、この本の主な内容の1つでもある。
 歴史上類をみない革命的な富へのチャンスが押し寄せようとしている。
 とはいえ、それらは不確実性の霧に包まれて押し寄せてくるので、だれでも容易にチャンスをつかまえることができるとは限らない。しかし未来に対する確かな案内図を手に入れさえすれば、そのおびただしいチャンスをとらえることは、不可能なことではないのである。
 不確実性が増加するのは、危機を生み出す要因が複雑になり多様になるからだけではない。チャンスを生み出す要因が複雑になり多様になったことも、1つの理由である。もっと正確にいえば、チャンスと危機を生み出す多様な要因が、複合的に絡み合っているためなのである。そしてチャンスの要素と危機の要素がお互いに絡み合いながら生み出された複雑な関係を洞察することが、未来の変化を読むカギとなる。
 変化が複雑なため未来に対する見通しが不透明になりつつあるが、少しだけ関心を向ければ、変化の方向と速度を予測することは可能である。あなたとあなたが属している企業や組職の生存戦略、ひいては新しい富を獲得する戦略とは何なのか。これからその道を求めて未来旅行に出かけてみよう。

ヘゲモニー:

特定の人物または集団が長期にわたってほとんど不動とも思われる地位あるいは権力を掌握すること

デカップリング:

「 結合切断」「分離」「切り離し」を意味する

幹細胞技術:

複数系統の細胞に分化する等の能力を持つ細胞。さまざまな種類があり、再生医療分野への応用を目指し研究されている

時間と空間が猛烈なスピードで圧縮される!

 押し寄せてくる新しい富のチャンスをつかみとりたいなら、まず迫り来る未来の変化を読まなければならない。私は未来を予測するとき、「歴史を通じて変わらないこと」と「変わること」を区別する方法をよく使う。いくら社会の変化が速くなっても、すべてが変わることはないからである。だとすれば、未来の富のシステムで、「変わること」と「変わらないこと」はそれぞれ何だろうか。
 全世界を震撼(しんかん)させた金融バブルと資産のデフレーション現象は、急速に世界に広がりつつ個人、企業、国家を混乱に陥れている。
 2009年6月、世界銀行の経済開発予測局長ハンス・ティマーは「世界経済は2008年9月以後の6カ月間で、産業生産量の50パーセントを失ったが、これは同年9月以前の4年間に増えた生産量に匹敵する規模」で、「世界経済がプラスに転じても、大部分の国家では失業が増えるだろう」と発言した。このように、市場は狂ったように恐怖と希望を繰り返し振り撒まきながら、上昇と下落の痙攣現象を長期間にわたって続けている。
 しかし、現在私たちは技術の急激な発達によって、時間と空間が猛烈なスピードで圧縮されつつある時代を生きている。そのため、今回の金融危機は予想より早く回復するだろう。
 だが今後は、次の金融危機、経済危機が繰り返し訪れる時間も早くなってゆくだろう。すなわち、世界的な共助と、各国の迅速で先制的な対応によって、表面的な金融危機が速かに収まったとしても、本当の問題が根本的に解決されずに達成された回復ではないために、近い未来にまた別の形の金融危機が訪れると思わなければならない。もちろん今はそんなところにまで気を遣う余裕はないだろうが、しかしこれが現実なのである。
 それなら何が本当の問題で、何が本当の解決策なのか。現在のみならず過去から反復的に起きてきた金融危機の背景はきわめて単純である。表面的には何も問題がないように見えるが、「成長の限界」にほぼ到逹しており、まもなく崩壊する運命にある経済原理が問題の根本にあるのである。

問題の核心は「信用過食症」

 深刻なインフレーションや戦争によってしか解決できない「中毒モデル」にかかった信用周期(借金周期)の市場を理解することはあまり難しくない。
 だから問題の核心が何で、何が本当の解決策で、現在の危機以後にはどのようなことが起こるかに関し、大きな流れを予測することもさほど難しくはない。
 2008年のサブプライムローン問題以降、これまでに各国が行ってきた解決策は、決して根本的な治療策ではない。そしてまた各国の政府は、このような危機が再発しないように根本的な解決策を示すことは決してできないだろう。なぜなら、世界の経済システムは後戻りすることができないほどの信用中毒に陥っているためである。
 現在の経済システムはあたかも過食症患者に例えられる。
 いうなれば「信用過食症(借金過食症)」である。過食症とは食べる量を調節できなくなる摂食障害の1つで、短時間に大量に飲食を行い、その代償として腹痛と嘔吐(おうと)などをもよおすものである。過食症の症状が現れれば身体的副作用も伴われる。例えば、電解質の不均衡が大きくなり心臓麻痺(まひ)の危険性が高くなるとか、食道損傷や胃拡張、胃潰瘍(かいよう)など、消化器官系に深刻な異常をきたす病気が現れる。借金をやめずに食べては吐くのを繰り返す現在の世界経済システムは、まさにこの病気に似ている。
 各国の政府や世界経済のリーダーたちは、信用過食症にかかった世界経済のシステムを根本的に治療しようとするよりは、喉のど いっぱいまで詰まった借金をほんの少し吐き出す程度で危機を乗り切ろうと考えている。そして「危機が終わった!」というかけ声とともに、世界が再び借金(信用)に心ゆくまで食らいつくことは火を見るより明らかである。
 要するに、私たちは資本主義最高の発明品である「お金と借金」の落とし穴にはまってしまったのである。

「所有の消費」から「アクセスの消費」へ

 借金を食べて吐き出してまた食べるのを何度となく繰り返す信用過食症を、根本的に治療するためには、お金に対する心理的な態度と、お金に対する食習慣を変えなければならない。
 お金に対する心理的な態度、すなわち私たちが持つ消費習慣とお金(借金)に対する観念を変えなければならないのだが、未来社会は逆により一層、消費的な社会へと進むことが予想される。
 現代人はより多くを消費するために「所有の消費」から「アクセスの消費」に移行しつつあるのである。すなわち、限られたお金で何かを購買して所有するより、同じお金で多様な物にアクセス(つまり、しばらく借りて使って、いやになったら他のものに替えてしまうこと)して、たくさんの物を消費したほうがよいという考えが勢いを得てきているのだ。
 そのため、商品やサービスとお金を交換するスピードがますます増してゆく新しい経済構造が生成されつつある。それに伴い人々は、より多くを消費するために、借金を吐く直前まで詰め込み続けるのだ。このような無理な信用消費を可能にするために、非常な速度で紙幣を刷り、電子マネーを作って、過剰に市場へ流入させる通貨政策と金融システムが存在する限り、世界を恐怖の底に突き落とした今回の危機は、やがて再現されると確信する。
 現在の世界の変化の速度を見れば、おそらく、少なくとも5〜10年以内にもう一度恐ろしい危機が襲ってくると予測される。その際に、株式、不動産、物価などの経済は再び痙攣現象を繰り返し、さらに社会、技術、文化、環境、心理、霊性などのあらゆる場で深刻な変化と価値観の混乱が生じ、それが続いていくとみられる。
 実のところ一部で憂慮されているデフレーション現象は、はちきれるまで食べては吐き出してきた借金に再び手を出そうとする人類に対して送られた、原状を回復させて健康な状態に帰りなさいという肯定的な信号なのである。しかし、「富の喪失に対する恐れ」と「経済成長強迫症」にかかっている各国の政府と中央銀行は、表面的な対症療法に追われるあまり、このような信号に対しても目をつぶっている。

お金の間違った使い方の歴史

 私たちを混乱と危機に陥れた「お金」というものは本来、有用で美しいものだった。移動性に乏しく保管の難しい家畜や穀物をもって経済的な取引を行うより、移動と保管が容易なお金というものを通じて取引を行うことで、人々はより幅広く多様な取引を、それも非常にスピーディに行えるようになった。
 もし人類にお金というものがなかったら、おそらく今でもあなたは給料日に牛や豚、鶏などを賃金として受け取って、これを持って飲食店に行き鶏1匹とキムチチゲを交換して食事をし、お子さんの授業料として豚足1つをしっかり梱包(こんぽう)して送らなければならなかっただろう。
 お金というものがこのようなひどく不便な状況から解放してくれたのである。
 このようなお金の利便性のおかげで、市場はますます肥大化していき、経済システムも高度化されていった。もちろんお金も進化を繰り返してきた。物品貨幣に始まり、金属貨幣や紙幣、信用貨幣(クレジットカードなど)を経て、今や仮想貨幣にまで進化して、お金に対する新しい概念が生み出されている。同時にお金の流れも急激に早くなっている。
 ところで、このように人類の発展に大きな貢献をしてきたお金が、なぜ突然私たちを破滅の淵に追いやる主犯になってしまったのだろうか。その原因はお金自体にあるのではなく、お金の「使い方」にある。つまり、自分のポケットにあるお金だけでなく、自分の手にない未来のお金にまで手を出す使い方と、これを許容するシステムが問題なのである。
 お金のこのような間違った使い方が原因で、国家的な危機を招来した例は、歴史的にずいぶん前から存在した。現在の危機もそのような歴史の繰り返しであるだけである。ナソン氏とイ・ミョンロ氏が書いた『賢いお金』という本の中に、これに関連したお金の歴史についての面白い話がある。

借金の発明「17世紀のターリースティック」

 17世紀、イギリスでは納税後にターリースティック(Tally Stick)という木の棒を納税の証拠として渡していたが、これは市場で「お金」のように流通した。
 しかし17世紀当時、イギリス王室は相次ぐ戦争によって深刻な財政難に見舞われていた。結局、イギリス王室は戦争による深刻な財政赤字を解決するために、議会を説得して、税金を集める前にターリースティックを作って発行するという蛮行を行ってしまった。つまり、未来に徴収される税金を、国家が借金をして使い始めたのである。まるで現代の政府が国債をやたらと発行しているように、である。
 もちろん安全装置として、金を採掘し金貨を作って保管する金細工業者ーーこの人々をゴールドスミスと呼んだ││を訪ねて、政府があらかじめ発行したターリースティックを金と交換して市場に流通させたのであるが、当然のことながら、それは徴収前の税金をあらかじめ使ってしまうという形の借金であったから、金細工業者が通常の価格で承諾するわけがなかった。ターリースティックに書かれている金額より、やや低い金額で交換されたのである。
 これが「利子」の原初的概念である。
 イギリス政府が発行したターリースティックは、今日国家が保証する国債のような性質のものであり、一応安全といえたが、それにも当然限界がある。借金があまりにもかさめば、国家といえども不渡りを出す可能性があるのである。それに加えて、それまでにはなかったある動きが首をもたげ始めた。政府とゴールドスミスが互いに示しあわせてお金遊びに興じている間に、隣人たちがゴールドスミスの家の門をノックし始めたのである。
 彼らは自分の金貨を安全に保管するために、自分たちにも金庫室を貸してくれと要請してきた。ゴールドスミスたちは隣人たちの金貨を保管して、現在の領収証にあたる「支給要求小切手」を発行した。そしてゴールドスミスたちが発行した小切手は、市場で本物の金貨のように扱われた。この紙のお金は重い金貨の小銭よりずっと便利だった。金額が数字で書いてあって、取引するたびにひとつひとつ金貨を数える必要もなくなった。
 ゴールドスミスの金庫は瞬く間に満杯となった。このようなことが繰り返されるうちに、金細工業者は鋭くも、当時としては驚くべき1つの事実に気がついた。
 「私に金貨を預けた人たちが、一斉に、自分が預けた金貨をすべて引き出しに群がってくることはないはずだ!」
 このことに気がついた金細工業者は、新しい事業を構想した。それは自分が保管している預金者たちの金貨を利子付きで貸し出し、収益を上げる事業だった。金細工業者は、政府と一般市民両方から利子を受け取ることができるようになったのである。イギリス王室はより多くのターリースティックを発行し、ますます多くの市民が、彼らのもとに来ては金貨を借りた。そのたびにゴールドスミスの収益はより一層増えていった。
 しかし、人間の貪欲(どんよく)さには終わりがない。金細工業者の金庫室に金貨が実際にいくらあるかは、本人以外はだれも知らない。彼らは金庫室に有りもしない金貨を勝手に設定して、貸出を大きく増やし始めたのである。
 政府と金細工業者のこのような図式の通貨政策と金融システムは、結局、急激な負債増加をもたらした。同時にターリースティックの価値が下落したため、何人かの裕福な預金者たちがゴールドスミスを訪ねて、ターリースティックと紙小切手を本物の金貨と交換してくれと要求し始めた。
 うわさは急激に広がった。ゴールドスミスの家の閉じられた門の前には、ターリースティックと小切手を持った預金者たちが、長蛇の列を作るようになった。バンク・ラン、すなわち取り付け騒ぎが起こってしまったのである。
 結局、イギリス国王チャールズ1世は破産宣言をし、すべての責任をゴールドスミスに押し付けた。現在の世界的な金融不況と似たことが、すでに17世紀に起きていたのである。
 しかし、そのとき発明された借金によるお金の間違った使い方は、手綱の外れた野生馬となって、その後ずっと市場を駆け回ってきた。理由は簡単だった。どんなに深刻な副作用があろうと、政府にとってこれ以上簡単にお金を作って使える方法が他にないからである。それは断ち切ることのできない誘惑であり続けた。

紙の貨幣と金融不況の元凶の誕生

 18世紀、フランスのルイ15世の摂政をしていたオルレアン公爵とジョン・ローのお金の取引方式もまさにこれと類似したものだった。
 彼らはより大胆な「マネーゲーム」を行った。ジョン・ローは、現在私たちが使っている紙の貨幣を最初に提案した天才的な人物でもある。このような天才的なジョン・ローからアイデアを得たオルレアン公爵は、やはり王室の財政赤字を解決するために、1716年、ロイヤルバンク(Banque Royale)という政府主導型の中央銀行を許可し、国家がこの銀行を通じて税金の10倍にあたるお金を発行し、市場に流通させるという金融マジックを使った。
 これがいわゆる魔法の核心であると同時に金融不況の元凶である10パーセントの「準備預金制度」の始まりだった。
 勢いに乗ったロイヤルバンクは持続的にフランス国債を買い入れ、この国債の10倍にあたる銀行券を発行する借金(負債)サービスを行った。人々はこうして発行された銀行券で税金を納め、フランス政府はまたそれを使って国債を発行し、ロイヤルバンクはその国債を買い入れて、国債担保の銀行券を10倍にして市場に流した。
 しかし、投資家たちの銀行券を金に交換してくれという要求が急増し、支給不能状態に陥るようになって、金融バブルははじけてしまった。
 結局、18世紀の金融危機もこうして終わったが、このロイヤルバンクが、後の中央銀行の前身となったために、その後、金融危機と中毒現象が繰り返される端緒(たんしょ)を提供することになった。お金の使い方に対するイギリスとフランスのこのような奇妙なアイデア自体は変わらないまま、少しずつその形態を変えながら、当然の結果として大小数多の金融危機を発生させつつ現代にまで至り、2008年、世界的な金融危機を招来したのである。

銀行の「恐ろしい実態」

 初期のアメリカ建国の指導者たちは、17世紀のイギリスと18世紀のフランスの金融危機を教訓とした。彼らは国家が管理する中央銀行制度を選択しなかった。代わりにすべての銀行が保有している実際の金の保有量を基準に、銀行券を発行する金本位制を基盤として選択した。
 これは金融危機による国の没落や経済の破綻(はたん)を恐れた結果と考えられる。しかし残念ながら、銀行が保有している金の価値の10倍ほどを、銀行券として発行することを承諾したことで、ヨーロッパですでに何度か問題を発生させた「準備預金制度」までは捨てることができなかった。結局、アメリカの金融システムも、いつ火を噴くか分からない経済破綻の火種を抱いて誕生したのである。
 よく知られているように、このような金融システムは、銀行が保有している預金は10パーセントにしかならないため、預金者たちが不安を感じて一斉に銀行券と金を交換してくれと要求した瞬間、支給不能状態に陥るほかない。このような懸念は実際、1907年に現実のものとなった。ニューヨーク銀行でバンク・ランが発生して金融不況が起こったのである。
 重要なことは、この事件以後にも10パーセントの準備預金制度を廃止することができなかったという点である。
 残念ながらアメリカ政府は、銀行の支給不能状態が再び発生すれば国家が保証するという名目のもとに、中央銀行の役割を担う連邦準備銀行(FRB; Federal Reserve Bank)を設立するという別の駄策をとってしまった。
 FRBはアメリカ国内にある商業銀行の準備預金を管理し、貨幣を発行して銀行に資金を貸し出す役割を担った。FRBは彼らが保有している金と国債の10倍にあたる銀行券を発行して、商業銀行に貸し出した。そして商業銀行は再びこのお金をレバレッジとして、10倍にあたるお金を市中に流通させるようになった。
 あっという間に国家が持っているお金と国債の100倍にあたる通貨量が市場を流れるようになり、その結果、急速な信用(借金)膨張が起きるようになった。私たちが使うお金と経済のシステムの裏側には、国家機構によるものでなければ詐欺と変わらないようなシステムが存在しているのである。このためレジナルド・マッケナ(前イギリスミッドランド銀行取締役会長、政治家)は次のように語った。

 「私は、『銀行が実体のないお金を作り出している』という事実を人々が知ってしまったらと思うと非常に恐ろしい。国家の金融取引を掌握した彼らは、政府の政策を思うままに操っているし、国民の運命と経済的な運命を彼らの掌の上でもてあそんでいる」

 結局、FRBが生まれてから17年後の1929年、株式、不動産、債券市場でバブルが崩壊し金融大恐慌が起きてしまった。アメリカ政府とFRBの景気刺激策にもかかわらず物価は暴落し、失業者は1300万人を超え、銀行は破綻し、企業は破産し、安全資産だった金の価値は高騰した。
 1933年、ローズベルト大統領はドルを金に交換することを禁止し、ドルの価値を銀の69パーセント水準に低下させることで政府の負債の大部分を削減させた。
 アメリカは第2次世界大戦終結直前の1944年、44カ国の代表たちをアメリカのニューハンプシャー州のブレトンウッズに集め、金1オンス当たり35ドルの金兌換(だかん)を保証して、代わりに各国の通貨をドルに固定させる国際的な通貨制度協定を結び、ドルの価値の下落を抑止する措置をとった。それとともにブレトンウッズ協定の副産物として国際通貨基金(IMF)と国際復興開発銀行(IBRD)が設立された。

2008年の金融危機の次は…?

 しかし1960年代末、ベトナム戦争でアメリカが深刻な財政赤字に陥り、基軸通貨であるドルの価値が下落すると、各国で金兌換要求が急増した。
 ニクソン大統領は1971年、金兌換を停止することで、金の保有量とは関係なく無制限にドルを刷り出すことができる道を開いてしまった。これがつまり1990年代後半のITバブルと2008年の金融不況を引き起こした根本的な原因である。
 すなわち、手に負えない量の借金を背負い、これを消費する「お金の間違った使い方」が今回の危機の根本的な原因なのである。これを解決しない限り、現在の世界的な金融不況は再び繰り返されることとなるだろう。
 そして、歴史を眺めれば、先に説明した金融不況の周期がますます狭まっていることも理解できる。最初は100年に1回起きていたのが1920年、1970年、1990年、2008年としだいに周期を狭め、そして起きるたびにその威力と衝撃の範囲が大きくなっている。まるで麻薬中毒にかかったかのようにますます発生の周期は狭まり、繰り返されるほど衝撃が大きくなる。これが中毒モデルの特徴である。
 したがって次の金融危機は、現在の周期の20年よりも早く現れるはずであり、その衝撃と範囲が2008年の金融危機よりさらに大きいだろうということは、まず間違いのないことである。

20年間で、最低5回の危機が来る!

 筆者が主宰するアジア未来人材研究所の予測によれば、金融危機の恐怖が消えた後の世界の姿は、市場の完全自由と国家の適切な統制との間の均衡フィードバックが相互に作用しながら、新しい安定点を見つけていく過程を経るようになる。
 その過程で、経済的、社会的波動がかなり頻繁に起こると思われる。このような現象を私たちは「ワールド・スペズム(World spasm; 世界的痙攣現象)」の時代と名付けたが、この時代は今後約10〜20年間にわたって持続すると予測される。
 世界経済はまるでジェットコースターに乗ったように揺れ動く。ときには今回の金融危機よりもさらに耐えがたい低迷に直面する可能性もある。経済だけではない。社会、文化、環境、制度、霊性などの分野で、全世界的に大きな変化が起こる痙攣的社会現象に見舞われるだろう。
 例えば株式、不動産、債券、原材料価格の暴落と暴騰の繰り返しによる中流階級の激減、金融機関と企業の倒産による就職口の減少による格差の深刻化、高失業高物価高金利の3高現象の繰り返し、インフレーションとデフレーションの反復、アメリカのヘゲモニー弱体化に因を発する各国の重苦しい軍事的緊張関係、排他的民族主義が生み出す葛藤、ショービニズム的な実用主義政策の拡散、アフリカでの局地的戦争と大規模テロの増加、石油および原材料価格とドル価値との間のシーソーゲーム、経済社会政府システムの非効率性による、より知能的な国際的投機の盛行。
 さらに、※イモジング国家の政権崩壊とそれによる政権交代の繰り返し、イモジング国家間の経済的デカップリング現象、頻繁な国家不渡りによって繰り返されるIMF救済金融の申し込み、先進国間の技術的デカップリング現象、一層敏感になる知的財産権の紛争、北朝鮮の情勢変化などが、複雑で多様な姿で現れながら、私たちのビジネス環境に直接的間接的な影響を及ぼすだろう。
 このように世界各地で現れる複雑で深刻な痙攣的振幅現象は、必然的に国家や企業内部にも激しい葛藤と摩擦を大量にもたらすだろう。
 結局このような葛藤と摩擦が続けば、既存のシステムや社会意識に土台を置いた、古い信頼と価値が大きく揺さぶられて、ときにはとてつもなく脅威的な事態に直面するようになると予測される。

イモジング国家:

新興開発途上国

逃した治療のタイミング

 このような過程の中で、最低5回ほどの多様な金融危機が、反復的に押し寄せると考えられる。
 先にも説明したように、私たちを支配する現在の金融システムは、根本的に借金による経済成長を志向するため、金融危機以後に沈みこんだ経済を回復させるために、これからも個人、企業、国家のすべてが、繰り返し借金をむさぼり続けることは明らかである。
 世界はもはや、借金中毒の経済システムから抜け出ることができない状態だからである。人でも国家でもいったん中毒にかかれば治療するのは大変である。いや、ほとんど不可能だといっても過言ではない。麻薬中毒、アルコール中毒、コンピュータゲーム中毒にかかった人々をみてほしい。深刻な症状を短期的に緩和させることはできるが、完治させるのは大変難しいのである。
 その理由は、中毒症状が現れる初期段階に根本的な治療のタイミングを逃してしまい、大部分が表面的な症状を治療する応急処置だけで終わらせてしまうからである。
 もちろん応急処置自体が悪いというわけではない。
 しかし完全な治療のためには、応急処置で問題の症状を緩和させた直後に、必ず根本的な解決も試みなければならないのである。しかし現実に目の前の競争者と戦わなければならない指導者たちは、事実を国民に話して苦境に陥ってしまうことを決して望まないので、税金を簡単に上げることができず、新しい支出に必要な資金を得るためにお金を借りる。そしてそのことによって生まれる財政赤字を解決するために、通貨を新たに発行するのである。
 今回の金融危機への対応も同様である。世界各地で行われたほとんどの対応策は応急処置に過ぎない。そして一時的に応急処置が効果を現したとたん、根本的な問題解決に対する努力への熱意はしぼんでしまっている。まるですでに金融危機をほとんど乗り越えたかのように行動しているのである。
 このように本質的な問題の解決なしに応急処置的対応のみを行うと、長期的には問題をより悪化させる結果をもたらすようになる。結局今回の金融危機も問題の原因を残したまま先へ進むことは明らかである。そして、そのことによって今後間違いなくまた他の形態の金融危機が発生するだろう。
 中毒モデルに陥っている限り、問題が繰り返されて危機が起きるたびに、前よりさらに重い症状が現れる。だから筆者は、金融システムの慢性化した病弊を革新的に改め直さない限り、今後20年以内に全世界的な金融危機が少なくとも5回は訪れると予測している。

第1章まとめ
  • 「富の効果」が終わりを告げ「所得効果」への転換の時代になる
  • これからは「時間と空間」が猛烈なスピードで圧縮される
  • 現代は「所有の消費」から「アクセスの消費」へ移行している
  • 次の金融危機は衝撃と範囲が「2008年の金融危機」よりさらに大きい
  • 世界は「借金中毒の経済システム」から抜け出ることができない
  • この20年で「最低5回」の多様な金融危機が、反復的に押し寄せる
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