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- ビッグボス(須藤 大志)
- やさしい言葉で支配する
小学生のころから数十年間、「コミュニケーションは相手の立場に立って考えるべき」をずっと真理だと思って生きてきました。この本を編集するまでは……。本書は「相手の立場に立って考えるのはフェアじゃない」と語ります。いくらコチラが相手の立場に立っても、相手が自分の立場に立ってくれる保証はないから。だったら、「相手をコチラの立場に立たせる」ことを意識して言葉を選んだほうが、自分の思い通りのコミュニケーションができるというのが本書の主張です。「なるほど。相手を振り回す高圧的だったり、狡猾な言葉を使うんだな」と思われるかもしれませんが、本書で紹介するフレーズはすべて「やさしい言葉」であるところがミソなのです。

POSTED BYかばを
言葉を少し変えるだけで状況を一変
セールス担当者から「これ、すごくいい話ですよ!」と言われたら、どう感じますか。おそらく多くの人は「うさんくさい」「怪しい」と身構えるでしょう。
では、「これ、悪い話じゃないと思いますよ」と言われたらどうでしょう。
「少なくとも損にはならなそうだ」「話だけでも聞いてみようかな」と思う人はいるはずです。
このように、ほんの少し言葉を変えるだけで、相手が受け取る印象は大きく変わります。
すなわち、もしあなたが愚直に営業しても売れない、部下に心を開いてもらえないといった悩みがあれば、もっといえば、他人に振り回されてばかり、いつも遠慮を強いられて自己主張できないなど、コミュニケーションに不満があったとしても、言葉を少し変えるだけで状況を一変させることができるということです。
本書ではこのような、自分が期待する方向に相手を動かすフレーズをまとめました。
脳をハックする仕組まれたフレーズ
「どっちがいいですか?」「ちょっとだけ想像してもらえますか?」
「逆に、これをやらないとどうなると思います?」
「一緒にやったら早く終わりますよ」
一見、よく聞くし、使いもするフレーズですが、状況を間違わなければ、他人を自分の思い通りにコントロールする言葉になります。
おそらく、多くのフレーズを見て「え?こんな普通の言葉でいいの?」と感じるでしょう。
しかし、人はコントロールしたい、利用したいという願望が見え透いた言葉には動かされません。
大切なのは、自分を思ってくれている、自分に利益をもたらしてくれる――そう感じさせる「やさしい言葉」です。
たとえその奥に、支配欲やわずかな悪意が潜んでいたとしても……。
コミュ障「相手の立場に立って考えよう」
コミュ強「相手をコチラの立場に立たせよう」
本書で紹介するフレーズすべてに、ある“仕掛け”が仕組まれています。それが〝相手を自分の立場に立たせる仕掛け〟です。
「相手の立場に立って考えなさい」とは、良好なコミュニケーションのための、疑いようもない真理と考えられています。
しかし、現実はどうでしょうか?
「相手の立場に立ちすぎた人」ほど損をしているのです。
「相手の気持ちを考えて遠慮した結果、断れずに搾取される」
「相手のわがままを優先して、自分の主張は飲み込んでしまう」
「強く言えず、押しの強い相手のペースに巻き込まれる」
「相手の立場に立って考える」姿勢をあなたが見せても、相手があなたの立場に立って考えてくれる保証は一切ありません。
したがって、「相手の立場に立つ」のではなく、「相手を自分の立場に立たせる」という戦略的会話術が必要とされるのです。
この発想はコミュニケーションにおいて邪道と見なされてきましたが、こちらが「相手の立場に立つ」ならば「相手もこちらの立場に立たせる」のがフェアというもの。
そうした意識で言葉を選ぶと、パワーバランスが対等になり自分を優位な立場に立たせやすくなります。
本書ではそのためのフレーズをまとめています。
本書の構成について
序章では、まわりに振り回される人生から抜け出すために、本書全体を貫く考え方を解説します。それは、相手を「感情タイプ」と「論理タイプ」に分けてとらえること、そして「相手の立場に立つ」のではなく、「相手を自分の場に引き込む」ことです。第1章以降で紹介するすべてのフレーズは、この考えを土台に練り上げられています。第1章では、こちらの要望を受け入れてもらい、相手を説得するためのフレーズをまとめました。〝お願いをする側〟から、〝お願いを受け入れられる側〟へと立場を変えましょう。
第2章では、なかなか行動しない、思い通りに動いてくれない相手の背中を押したり、うまく誘導するフレーズを紹介します。うまく使えば、好感度を上げることさえ可能です。
第3章では、相手を指導・注意したり、その意見に反論するためのフレーズをまとめました。部下に気をつかいすぎて注意できない上司が増えている昨今、ぜひ武器として活用してください。
第4章では、Z世代とのコミュニケーションに役立つフレーズを紹介します。上の世代には理解しにくい彼らの価値観を踏まえ、円滑な対話を生むための考え方です。
目次
まえがき 非モテ・吃音・根暗な人間が見つけた相手を動かす言葉序章 相手の立場に立つな!コチラの土俵に立たせろ!
第1章 自然と相手が納得してくれる依頼と説得のフレーズ
第2章 腰が重い相手が前向きに動き出す背中を押すフレーズ
第3章 厄介な相手を一瞬で止める注意と反論フレーズ
第4章 言葉にシビアなZ世代攻略のための鉄板フレーズ
著者について
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1997年生まれ。明治大学商学部卒業。株式会社カップルリンク代表。人間関係&恋愛コンサルタント。
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幼少期からいじめを受け、吃音を持ち、中学時代では当時肥満体型だったことから「イベリコ豚」と蔑称される非モテ少年だった。高校時代には思いを寄せていた女子生徒に「死ね」と言われれ、心身を病む。
大学時代、「コミュ障のままでは一生孤独のままではないのか」という恐怖から一念発起し、心理学や恋愛ノウハウ、脳科学を読み漁る。自己投資額は200万円超。コミュニケーションスキルを磨くために、積極的に女性にアプローチし、累計1万人の女性にフラれるも、確実に胆力は鍛えられ、ノウハウが蓄積された。
そうした経験から培ったオリジナルメソッドを累計2000名以上に指導。受講者は会社員・医師・弁護士・エンジニア・経営者・官公庁など多岐にわたり、指導満足度は90%以上にのぼる。企業や個人を対象としたセミナー・講演にも多数登壇し、YouTubeやnote等でもノウハウを積極的に発信している。
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