「発達特性を持つ子どもの不登校」に焦点を当てた初の書籍
子どもが「学校に行きたくない」と言い出すのは、大人からは「問題の始まり」に見えますが、子どもにとっては“学校に行く自分”を捨てた「最終段階」です。そうなったら、大人はすぐに対応する必要があります。
・まずは休養
・相談しやすい環境づくり
・親子関係を良好に保つこと
この3つが不登校の対応の基本です。
さらに、親や教師に「やってほしい対応」から「やってはいけない対応」まで。すぐに対応するための支援策を網羅!
臨床経験30年以上の児童精神科医が、保護者も教師もしっかりサポートします。
主には発達特性がある子を対象とする話ですが、この本の内容の多くは、特性が目立たない子にも通用します。お子さんの不登校に悩んでいる保護者の方や学校の先生方、子育て・教育に関わっている支援者の方々に、ぜひ読んでいただきたいと思います。
256ページ・並製・1色・129ミリ×188ミリ
【発行】バトン社/【発売】フォレスト出版
もくじ
●第1章 子どもが不登校になる原因って何?Q1 子どもはどんなときに不登校になるの?
親や教師と子どもとの「すれ違い」を防ぎたい
不登校の背景を理解するのは簡単ではないが
Q2 そもそも「発達障害」って何?
発達障害にはいくつかの種類がある
特性があっても支障がない場合もある
Q3 どれくらい休んだら「不登校」なの?
学校を年間30日以上、欠席すること
●第2章 不登校は学校のせい? 家庭のせい?
Q4 不登校の問題は学校にある? 家庭にある?
主な要因は、学校の側にあることが多い?
Q5 なんで不登校が増えているの?
学校にはノルマ化とダメ出しが多すぎる
Q6 いまより、昔の学校のほうが厳しかったのでは?
ノルマの多い環境ではレジリエンスが育たない
Q7 子どもにとって 学校の何が一番つらいの?
全員一律のノルマだと「できない子」が悪目立ちする
再び登校できる子と登校できない子の違い
Q8 一般的な不登校と発達障害の不登校の違いって?
発達障害の子の不登校には運がともなう
●第3章 発達障害の子は不登校になりやすいってほんと?
Q9 発達障害と不登校にはどんな関係があるの?
Q10 子どもの悩みを聞くときのポイントは?
Q11 不登校の子に親や先生はどのように対応すればいい?
よくある悩み ❶ 授業や集団活動になじめない
よくある悩み ❷ 勉強ができない
よくある悩み ❸ 一斉指示についていけない
よくある悩み ❹ 予定がわからないと不安、予定の変更が苦手
よくある悩み ❺ 感覚過敏で教室に入れない
よくある悩み ❻ いちいち叱られるのがつらい
よくある悩み ❼ ハラスメントに耐えられない
よくある悩み ❽ 人間関係で挫折しやすい
よくある悩み ❾ 頑張りすぎて疲れてしまう
よくある悩み ❿ 学校に行くだけでもしんどい
●第4章 実際にわが子が不登校になったらどうすればいいの?
Q12 子どもに「学校に行きたくない」と言われたら?
「学校に行きたくない」は最終段階
Q13 無理に登校させると、どうなるの?
無理をすると「二次障害の山」が大きくなる
Q14 休ませている間、家庭でどう対応したらいい?
不登校になったら、まずは休養と相談!
不登校になったとき、絶対にやってはいけないこと
Q15 子どもから「明日は行こうかな」と言われたら?
行ける授業·行ける曜日だけでもいい
学校から帰宅した子どもへの声かけは「疲れた?」
Q16 なかなか学校に行けない場合はどうしたらいい?
そもそも学校に行く目的はなんなのか
学校にこだわらずに、「居場所」を探す
●第5章 不登校の子は将来どうなるの?
Q17 本当に学校を休ませて大丈夫?
登校させるための頑張りはやめたほうがいい
Q18 具体的にいつまで休ませればいいの?
再登校は目標にすべきではない
「中3の夏休み」までに親子関係を良好にしておく
Q19 中3の夏までにできることは何?
社会参加に必要なのは「自己決定力」と「相談力」
Q20 将来に向けて、いま親ができることは何?
どうしたら「自己決定力」と「相談力」が身につくのか
●巻末特典 親から教師に 子どもの悩みが相談しやすくなるシェアシート
著者について
-
【著者略歴】
View More
◎信州大学医学部子どものこころの発達医学教室教授・同附属病院子どものこころ診療部部長。長野県発達障がい情報・支援センター「といろ」センター長。
◎精神科医。医学博士。1988年、東京大学医学部医学科を卒業。東京大学医学部附属病院、国立精神・神経センター武蔵病院を経て、1991 年から横浜市総合リハビリテーションセンターで20年にわたり発達障害の臨床と研究に従事。2011 年、山梨県立こころの発達総合支援センターの初代所長に就任。2014年、信州大学医学部附属病院子どものこころ診療部部長。2018年より信州大学医学部子どものこころの発達医学教室教授。2023年より長野県発達障がい情報・支援センター「といろ」センター長。発達障害に関する学術論文多数。日本自閉スペクトラム学会理事長、日本児童青年精神医学会理事、日本自閉症協会理事、日本授業UD学会理事。
◎著書に『自閉症スペクトラム』『発達障害 生きづらさを抱える少数派の「種族」たち』『子どもの発達障害』『学校の中の発達障害』『知的障害と発達障害の子どもたち』(以上、SB新書)、『 マンガでわかる 発達障害の子どもたち』(フクチマミ氏と共著、SBクリエイティブ)などがある。