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書籍

必要最低限の学習で会計の基本知識と数字の読み方を身につける本

9割捨てるとサクッとわかる会計入門

マスカワ シゲル 著

1,925円(税込)
財務/会計 BOOK KindleiBookskobokinoppy
9割捨てるとサクッとわかる会計入門
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本書のコンセプトは「いかに教える内容を減らして、会計の基本原則と財務三表の基本を理解していただくか」です。著者のマスカワさんの持論「会計職・経理職以外の一般ビジネスパーソンにとって会計知識の9割以上は必要ない」にのっとったものです。確かに言われてみれば、一般社員にとっては、細かな会計ルールは実務に必要ありませんし、決算書もおおまかに損益・会社の財務状況がわかるレベルで十分です。たとえば、世の大半の入門書は、「詳しすぎる」ため、多くの人が途中で挫折してしまいますし、がんばって読み通したとしても、実務と紐づかないため、身につきません。であれば、実務に関係することが多い「全体の1割未満」をしっかり身につけたほうが有益ですし、その後、本格的に勉強しようと思ったときにも役立ちます。私自身これまで何度も会計の勉強に挫折しており、本書を担当して初めて会計の基本的な原則・考え方が腹落ちしました(「何だ!こんな単純な話だったのか!」と思いました)。これから会計について学ぶ人、これまで会計を学んで挫折した人、ともにおすすめの1冊です。

貝瀬

POSTED BY貝瀬

なぜ、すべてのビジネスパーソンにとって会計知識が必要かつ重要なのか?

言うまでもなく、ビジネスにおいては「お金の動き」を常に把握することが重要です。

「お金の動き」は会計という共通ルールで記録され、そのルールに基づいて会社同士の取引が行なわれます。また、このルールがあるおかげで、同じ会社内でも各部署が連携して動くことができます。

つまり、会計はビジネスに携わるすべての人たちが知っておくべき「共通ルール」なのです。

また、会計知識は自分が今いる会社だけで通用する閉じた知識ではなく、どの会社においても通用するため、転職先でも活かせますし、さらには海外企業との取引にも活かすことができます。
実は、会計知識は、すべてのビジネスパーソンが身につけておくべきポータブルスキルでもあるのです。



会計の勉強をしてもなかなか現場で活かせない方へ

もしかしたら、皆さんの中には次のような悩みをお持ちの方がいるかもしれませんね。

・とにかく数字が苦手!会社の売上計算書などの書類や、会計の入門書などを見ただけでめまいがしてしまい、とても勉強する気になれない
・「会計のことがわからないとマズイ!」と思って本を読んだり、セミナーに参加したものの、ややこしいし、そもそも現実感がなく納得できない
・自分の仕事に役立つ実践的な会計知識を身につけたいとかねがね思っているが、どこからどう手をつけてよいものやら見当がつかない
・がんばって簿記3級を取得したものの、仕事で使えていない

著者のマスカワさんは今でこそ、ある外資系企業でFP&A(Financial Planning & Analysis Senior Manager)という、会社の財務状況を分析したり、戦略を立案する要職に就いていますが、会計職に就いたばかりの頃は「資格試験に合格したものの現場で活かせていない。実務と直結しないので、知識を役立てられない」という悩みを抱えていたそうです。

マスカワさんは会計の仕事をする中で、時おり「あっ!あの会計知識はこのためだったんだ!」という場面に出くわし、その都度「会計を勉強しておいてよかった!」となったものの、それは学んだ知識の1割程度でした。そして、会計の勉強は非常に効率が悪いことに気づきました。

そこで本書の前半では、マスカワさんが転職を繰り返す中で、それぞれの職場で必ず見られた必須の会計知識「発生主義」「費用収益対応の原則」「保守主義」の3つに絞り込み、それぞれ実際のエピソードとともに解説します。

この発生主義、費用収益対応の原則、保守主義のいずれも、現金の受領・支払と、収益・費用を記録するタイミングが異なるため、多くの人が戸惑うポイントです。
(実は、会社における、一般社員と経理部員との間で起こるトラブルのほとんどがこの3つが原因です。)
こうした基本的な会計原則をしっかり押さえるだけでも、皆さんの会計についての理解はぐんと深まるでしょう。



財務三表(決算書)の学習も9割捨てて問題なし!

会計を学ぶ上で避けて通れないのが、財務三表(決算書)です。本書の後半では、財務三表について解説します。
多くの人が数字だらけの財務三表のせいで、会計の学習に挫折してしまう難所中の難所です。

そこで本書では、損益計算書、貸借対照表、キャッシュフロー計算書の3つを1つずつではなく、あえて3つをまとめ、「お金の動き」をベースに見ていきます。
前半の会計知識の解説と同じように、財務三表に関する知識の9割を捨てて、1割の必要なことだけをできるだけわかりやすく、丁寧に解説します。

あるスモールビジネスの創業から3年目の決算までのストーリーを軸に、財務三表における「お金の動き(減価償却、売掛・買掛、借入・返済)」の記録の仕方をステップ・バイ・ステップで確認しながら解説します。

そうすることで、各表の「ここがこうなれば、あそこはこうなる」と考えられるようになり、個々の財務三表の細かい項目について学ぶよりも、手っ取り早く「会計的な考え方」を身につけることができます。

本書は、「これから会計を学びたいけれどどこから学べばいいかわからない」「会計を学んだことはあるが途中で挫折してしまった」といった方に向けて、「できるかぎり教えることを省く」というコンセプトに基づき、会計の基本と会計的な考え方を身につけていただくための本です。

「数字が苦手だけれど、やはり数字に強くなりたい」というビジネスパーソンの方は必読の1冊です。



気になる本書の内容

本書の内容は以下の通りです。

第1部 基本中の基本、会計の3つの原則を理解する
第1章 経理職・会計職以外の人には会計知識の9割は必要ない
ビジネスパーソンに会計知識が必要な本当の理由
会計知識の9割は現場の実務に必要ない
現場での体験からさかのぼって学ぶのが最も効率的
会計についての3つの素朴な疑問
 ――この本では会計知識のどこの部分を学べるのか?
 ①会計とはそもそも何なのか?
 ②なぜ会計が必要なのか?
 ③会計にはどのようなものがあるのか?

第2章 発生主義にまつわる3つのストーリー
ストーリー①経費消化のワナ
 ――経費予算を使うタイミングを間違えて来期予算を削減されてしまった!
ストーリー②売上計上の真実
 ――売上計上のタイミングを忘れ、危うく臨時ボーナスをふいに……
ストーリー③原価計算のズレ
 ――原料を安く仕入れたのに、なぜか原価が下がっていない!?
現金の動きと関係なく収益・費用を認識!?
 ――世間一般の感覚とズレている発生主義
発生主義では収益・費用をいつ認識するのか?
費用が発生するタイミング
収益が発生するタイミング
ストーリー①経費消化のワナ 〈解決編〉
ストーリー②売上計上の真実 〈解決編〉
ストーリー③原価計算のズレ 〈解決編〉

第3章 費用収益対応の原則にまつわる3つのストーリー
ストーリー④経費精算で大げんか
 ――いつも経費精算が遅れる営業部のエースに経理部員が猛抗議ストーリー
⑤請求書遅延で取引停止の危機
 ――「どうせ支払いはずっと先」とたかをくくっていたら大問題に
ストーリー⑥評価損とは何か?
 ――同じ2年落ちの商品だけれど処分するならどっち?
正しく比較するために収益と費用を合わせましょう
 収益と費用をセットで考える経済的因果関係
 収益と費用を同じ期間に計上する期間損益計算
費用収益対応の原則に関する素朴な疑問①
 ――期間はそれほどズレるものだろうか?
費用収益対応の原則に関する素朴な疑問②
 ――何のためにするのか?
ストーリー④経費精算で大げんか 〈解決編〉
ストーリー⑤請求書遅延で取引停止の危機 〈解決編〉
ストーリー⑥評価損とは何か? 〈解決編〉

第4章 保守主義にまつわる2つのストーリー
ストーリー⑦続・評価損とは何か?
 ――引当金と赤字の関係はどうなっているのか?
ストーリー⑧なぜか採算性の悪い顧客
 ――売上は上がっているのに利益率が落ちている理由は?
実際に損していなくても、先に損を計上する保守主義
考えだしたらキリがない「財政に不利な影響を及ぼす可能性」
テキトーではいけない「適当に健全な会計処理」
 「在庫の評価」の場合
 「売掛金の貸し倒れ」の場合
引当金は、見込みで計上した損の“つもり貯金”
ストーリー⑦続・評価損とは何か? 〈解決編〉
ストーリー⑧なぜか採算性の悪い顧客 〈解決編〉


第2部 9割捨てる財務三表(決算書)の読み方
第5章 財務三表(決算書)の基本的な「お金の動き」だけを理解する
財務三表を使って会計的な考え方ができるようになろう
非会計職の人が会計的な考え方ができることのメリット
会計的な考え方と財務三表の関係
世界一簡単な損益計算書(P/L)の説明
世界一簡単な貸借対照表(B/S)の説明
世界一簡単なキャッシュフロー計算書(C/S)の説明
たこ焼き屋さんの開業初日の財務三表
材料を仕入れたときの財務三表の変化
財務三表の変化を数字を使わずに見てみると
売上があがったときの財務三表の変化

第6章 ヒカルさんのフルーツ飴屋さん 開業1年目の決算
 ――固定資産購入と減価償却による「お金の動き」

フルーツ飴屋さんの開業ストーリーで財務三表を学ぶ
営業開始初日から10日目までの財務三表の変化
看板(固定資産)を購入して費用(減価償却費)にする
固定資産と減価償却は財務三表にどう影響するか?
お店の宣伝用の看板(固定資産)を購入
看板の代金を減価償却費として費用にする
固定資産購入と減価償却費計上のポイント
開業1年後の財務三表
フルーツ飴屋さんの開業1年目の決算
P/Lを見るときにチェックすべき良い成長、悪い成長
 ――売上だけを見るのではなく、利益率とセットで見る

第7章 ヒカルさんのフルーツ飴屋さん 開業2年目の決算
 ――売掛金と買掛金による「お金の動き」

フルーツ飴屋さんの開業2年目のお金の動き
なぜ多くの会社が売掛金、買掛金で取引をしているのか?
売掛金を導入してみた
売掛金導入1日目の財務三表の変化
売掛金の有無による財務三表の違い
売掛金導入30日後の財務三表の変化
売掛金を回収したときの財務三表の変化
材料の仕入れ代金を買掛金にしてみたらどうなる?
買掛金導入1日目の財務三表の変化
買掛金導入30日後の財務三表の変化
タラレバ比較 ――売掛金導入vs.買掛金導入
買掛金を支払ったときの財務三表の変化
フルーツ飴屋さんの開業2年目の決算
B/Sの金回りの観点で、売掛金、在庫、買掛金を見てみる
短いほど良いキャッシュ・コンバージョン・サイクル

第8章 ヒカルさんのフルーツ飴屋さん 開業3年目の決算
 ――お金を借りて少しずつ返すときの財務三表の変化

フルーツ飴屋さんの開業3年目のお金の動き
「短期借入金」と「長期借入金」
ヒカルさんが銀行からお金を借りた理由
借入金導入1日目の財務三表の変化
1回目の借入金返済と利息支払時の財務三表の変化
6回目の借入金返済と利息支払時の財務三表の変化
フルーツ飴屋さんの3年目の決算
赤字になっても会社は倒産しない。じゃあ何が会社を倒産させるのか?

第9章 練習問題
これまで学んだ会計知識を確認しましょう
「第2章 発生主義にまつわる3つのストーリー」の確認問題
「第3章 費用収益対応の原則にまつわる3つのストーリー」の確認問題
「第4章 保守主義にまつわる3つのストーリー」の確認問題
「第5章 財務三表(決算書)の基本的な『お金の動き』だけを理解する」の確認問題
「第6章 ヒカルさんのフルーツ飴屋さん 開業1年目の決算」の確認問題
「第7章 ヒカルさんのフルーツ飴屋さん 開業2年目の決算」の確認問題
「第8章 ヒカルさんのフルーツ飴屋さん 開業3年目の決算」の確認問題

Author著者について

  • 某外資系企業のFinancial Planning & Analysis
    Senior Manager。
    高校卒業後、5年間にわたりバックパッカーとして世界を巡り、多様な文化や価値観に触れる経験を積む。その後、日本に帰国し、自らキャリアを築くために転職を繰り返しながら、資格取得やスキルアップに励む。転職が多い背景には、自分自身でキャリア設計を行ない、常に新しい挑戦を求めた結果がある。キャリア遍歴としては、英語のスペシャリストから経理、そしてファイナンスへと移り変わり、実務経験を積んできた。主な資格には、英検1級、TOEIC 985点、日商簿記1級があり、その専門性を活かしている。
    2017年からはオンライン学習プラットフォームUdemyで講師として活動し、実務に直結するビジネススキルを教えるコースを多数展開している(のべ受講者数30万人以上、2025年3月現在)。現在は外資系企業に勤務。
    著書『頭がよくなる箇条書きの習慣』(WAVE出版)。

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