ドラマやドキュメンタリー、SNSなどで、徳を積む小さな習慣を実践する人を見かけるようになりました。大金を寄付するといった大きなことをしなくても、笑顔を向けるだけで徳積みになる、という考え方が古くから日本の仏教にはあります。著者の枡野先生は曹洞宗の住職をされていますが、本書でも祖である道元さんの考えを引用しながら、徳積みとご利益はどういう仕組みなのかを解説しています。何より、枡野先生のキャリアそのものが小さな積み重ねの結果であること、そして、すでに鎌倉時代に道元さんが善行について語られていたことに、改めて驚かされます。「世のため人のため」は死語ではなく、今も日本人の源流に生きているようです。ぜひご一読いただければ幸いです。
POSTED BY水原
やらぬ善よりやる偽善?
推し活で貴重なチケットを手に入れたい仕事でよい結果を出したい
よい評価をされたい
このように、ささやかな欲望を達成しようと、善いことをして徳を積み、その結果得られるメリットを享受したいと考えたことはありませんか。
「やらぬ善よりやる偽善」とは少々刺激的ですが、多少の真実も含まれています。
どんなに善いことを考えついても行動しなくては意味がありません。
多少動機が不純であっても行動したほうがよい。そんな考え方を表現しています。
善い行いのことを善行(ぜんぎょう)といいます。
人を助け、社会に貢献するさまざまな行為です。
仏教においては、戒律を守った正しい行いのことも指します。
徳積みとは、善行を重ねて自分自身が成長し、周囲によい影響を与えることです。
この場合功徳とは御利益を指すことになります。
一方偽善とは、「これをしたらみんなが褒めてくれるかな」「これをしたら思わぬラッキーが得られるかな」「これをしたら仕事にプラスになるかな」と、損得勘定を働かせながら善行をすることです。
もし、損得勘定から、電車でお年寄りに席を譲ったり、街のゴミを拾ったり、寄付したりするならば、偽善であるといわざるを得ません。
それでもやらないよりやってみるのはよい方向です。
初めは「何かを得るために」という不純な動機で始めても、積み重ねていくうちに本物になっていくかもしれません。
本書は、小さな徳積みの習慣が想定以上の人生になる仕組みをお伝えするものです。
善行を通じて成長することが大事だと説いた、道元禅師の教えも解説します。
第1章では「善行のすすめ」
第2章では応援される人になること
第3章では仕事を通して善行を行う意義
第4章では社会に恩返ししていく生き方
第5章では損得を超える生き方
についてお伝えします。
日々楽しんで小さな善行を続けられたら、まるで貯金をするように、徳が少しずつ溜まっていきます。
その結果、どんな自分になっていくか想像できるでしょうか。
徳積みの仕組みを知って、今日から実践してみませんか。
本書の目次
第1章 善い種を蒔く成功している人は徳積みをしている
善因善果 悪因悪果
お天道さまが見ている
徳を積んでも「無功徳」
今、ここで、私が
善行とは何か?
憧れる人の真似から入る
ただ自分が気持ちよくなるために行う
人は関係性の中で生かされている
もし徳を積まない人生を送ったら?
今日からできる善行リスト
第2章 主人公として生きる
応援される人になろう
主人公として行動しよう
やはり柔和な笑顔は最強
自分らしさを発揮して人を喜ばせる
比較をするから悩みが深くなる
善行の習慣化
早朝の坐禅会とお掃除
大切なことはすべて小学校で学んでいる
何事も百日続ければ身につく
心を清らかにする
善果のための準備をしておく
第3章 仕事を通して善行をする
仕事を通して世の中の役に立つ
三昧三昧大三昧
効率化を突き進むと後戻りできない
「同事」をビジネスに活かす
ビジネスライクが過ぎるとどうなる?
斜に構えると仕事は先細りする
相手が欲しているものの本質をつかむ
思いやりの心を形から学ぶ
守破離で進化する
管理職の要は人を活かすこと
チームで成長していく
「三方よし」の実践
プロセスを大切にする
我欲ではなく意欲を持て
なんのために働くのか?
スティーブ・ジョブズと禅
第4章 社会に恩返しをする
あとの人に気を配る
社会を息苦しくしているのは誰?
いただいた命をどう使う?
次世代にバトンを渡す
稼いだお金を社会に還元する
応援したいところに寄付する
儲けと善行の両立
より重要な価値に重きをおく
第5章 損得を超えていく
もし誰も善行しない世の中になったら?
禅即行動
自分のことは後回しにすべき?
二元論から離れる
損得勘定のつき合いは縁とはいえない
善行をしたのにムッとされた?
コスパ・タイパ思考をやめてみる
食べてみなければわからない
やむにやまれず犯してしまった罪は
仏の弟子として守るべき十六のルール
情報は使い切るもの
我々はどういう存在なのだろうか?
購入者特典プレゼント
枡野俊明先生特別法話 音声ファイル「人生が変わる徳積みのすすめ」※無料特典は、お客様ご自身で別途お申し込みが必要です。
※無料特典は、サイト上で公開するものであり、小冊子・CD・DVDなどをお送りするものではございません。
※上記無料特典のご提供は予告なく終了となる場合がございます。あらかじめご了承ください。
著者について
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曹洞宗徳雄山建功寺住職、庭園デザイナー、文筆家。多摩美術大学名誉教授。
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1953年、神奈川県横浜市生まれ。大学卒業後、大本山總持寺にて修行。以降、禅の教えと日本の伝統文化を融合させた「禅の庭」の創作を続け、国内外で数多くの作品を手がけている。芸術選奨文部大臣新人賞(1999年度)を庭園デザイナーとして初受賞。カナダ総督褒章(2005年)、ドイツ連邦共和国功労勲章功労十字小綬章(2006年) なども受章している。2006年、『ニューズウィーク(日本版)』にて「世界が尊敬する日本人100人」に選出。主な作品はカナダ大使館庭園、セルリアンタワー東急ホテル庭園「閑坐庭」、ベルリン日本庭園「融水苑」など多数。2024年には最新作品集『禅の庭IV 枡野俊明作品集2018~2023』(毎日新聞出版)を刊行。『傷つきやすい人のための 図太くなれる禅思考』 (文響社) など著書多数。禅の精神と現代人の悩みをつなぐ語り口に、世代を問わず共感の声が寄せられている。











