今やビジネスパーソンの業務の多くをAIがやってくれるようになりました。たとえば、マーケティングであれば、データの収集、整理、分析から仮説、検証、企画・施策の立案まで、AIに「やってください」と頼めば、やってもらえます。ただし、AIに何をどう頼むか、AIのアウトプットは本当に成果につながるのかを判断するのは、やはり人間の仕事ですし、AIを効果的に使うためには、今まで以上に「マーケティング思考力」が求められます。では、どうすれば「マーケティング思考力」を高めることができるのでしょうか?そのためには適切な方法を採用するのはもちろん、成功事例を丁寧に分析しながら自分なりの仮説や解を考える習慣を身につけることが必要です。そのために最も効果的な方法の1つが本書で紹介する「マーケティングトレース」というフレームワークです。AI時代に成果を出し続けたいと考えているマーケターの皆さま、これからマーケティングを極めたいとお考えの若手の方には、本書の内容を実践していただきたいと思います。確実に力が身につきます!
POSTED BY貝瀬
AIで「戦略っぽいもの」が簡単に作れる時代
生成AIの登場により、マーケティングにおける市場や競合の情報収集、分析、さらには企画案の作成までの作業を一瞬で行なえるようになりました。しかし、AIが出したアウトプットをそのまま使って、本当に成果につながるマーケティングができるでしょうか?
以前よりも簡単に企画書が作れるようになった一方で、「これは誰の、どんな課題を解決するための企画なのだろう……」と首を傾げたくなるような資料を目にする機会が増えています。
AIによって業務を効率化し、楽をするだけの発想では、これからの時代を勝ち抜くことはできません。
今までに増して求められているのは、自分で市場や顧客が求めることを考え、判断する「人間のマーケティング思考力」です。
これからの時代に差がつく「3つの力」と「一気通貫思考」
本書では、時代が変わっても廃れないマーケティング思考力を以下の3つの力に整理して解説します。①顧客理解力
顧客の言葉・行動から、顕在ニーズや潜在ニーズ・課題を捉える力
②戦略設計力
市場や競合を踏まえ、「誰にどの価値を届けるか」を決める力
③企画構想力
戦略を実行可能な具体的な企画に変え、事業成果を生み出す力
大切なのは、これら3つの力を個別に使うのではなく、行き来しながら「つなげて使う」ことです。
経営や事業の方向性から、顧客理解、戦略、具体的な企画、実行までを一本の筋でつなぐ「一気通貫思考」を身につけることで、施策を確実な事業成果へと結びつけることができます。
経営と現場のプロ2人が導き出した「本物の思考プロセス」
本書は経営と現場という異なる立ち位置でマーケティングの現場で活躍している2人のプロフェッショナルによる共同研究から生まれました。著者の1人、黒澤友貴さんは上場準備責任者やCMO(最高マーケティング責任者)などを歴任し、2018年に思考学習手法「マーケティングトレース」を考案・発信して以来、数多くのマーケターや組織の育成に携わってきました。
もう1人の著者、矢倉和雄さんはマーケティングリサーチ会社を経て、現在は三井不動産および東京ドームの現場で活躍する実務家です。データ分析を起点とした顧客理解、戦略立案、部門横断での施策実行を推進しています。
2人が長年の現場実践で磨き上げ、組織やコミュニティで成果を実証してきた「本物の思考プロセス」には、圧倒的な再現性があります。
「マーケティングトレース(マーケターの筋トレ)」で思考力を磨く
本書では、優れた企業のマーケティング戦略をフレームワークに落とし込んで分析し、自分の言葉や図解で解き明かす思考トレーニング「マーケティングトレース」を解説します。東京ばな奈、成城石井、オニツカタイガー、ピックルボールといった実在の題材を通して、プロがどのような問いを持ち、どう仮説を立てて分析しているのかの思考プロセスを体験できます。
さらに、「生成AI」を壁打ち相手として活用する方法も徹底解説。AIに正解を出してもらうのではなく、AIから異なる視点や反論を引き出しながら、自分の考えを深めていく――手元でAIを動かしながら、今日からすぐに始められるプロンプト(指示文)も多数収録しています。
こんな方に強くおすすめします
・マーケティングを本格的に学んだ経験はないが、自分の商品・サービスをもっと届けたい方・担当業務はこなせるようになったが、顧客理解から戦略・企画へのつなげ方に迷っている方
・事業会社で、組織にマーケティング思考を定着させたいと考えている方
・支援会社や広告代理店で、手法の提案にとどまらず事業に踏み込んだ提案をしたい方
・生成AI時代において、これから自分が鍛えるべき「一生モノの強み」を見つけたい方
単なるAIのノウハウ本でも、難しい理論書でもありません。
基本に立ち返り、自力で成果を生み出せるマーケター、ビジネスパーソンになるための「実践的トレーニング書」です。
気になる本書の内容は以下の通りです。
目次
第1章 マーケティング思考力とは何か1-1 マーケティングとは何か
1-2 マーケティング思考力とは何か
1-3 ①顧客理解力:顧客のニーズや課題を捉える
1-4 ②戦略設計力:誰にどの価値を届けて何を優先するか
1-5 ③企画構想力:実行可能な企画をつくる
1-6 経営・事業・マーケティングをつなぐ一気通貫思考
第2章 AI時代のマーケティング思考力トレーニング
2-1 マーケティングトレース(マーケターの筋トレ)について
2-2 マーケティングトレースの実行プロセスとAIプロンプト
2-2-1 AIプロンプトとの付き合い方
2-2-2 Step0 基本情報理解―事実情報を整理する
2-2-3 Step1 顧客理解:顧客にとっての価値を捉える
2-2-4 Step2-1 PEST分析:社会の変化を理解する
2-2-5 Step2-2 5Forces分析:業界構造と競合を理解する
2-2-6 Step2-3 市場を分類し、重点顧客を定義(Segmentation・Targeting)
2-2-7 Step2-4 ポジショニングで選ばれる理由を理解する
2-2-8 Step2-5 4P分析:選ばれる理由を、価値の届け方に変える
2-2-9 Step2-6 成功要因のまとめ 施策同士の因果関係を理解
2-2-10 Step3 もし自分がCMOだったら?
第3章 AIを活用したマーケティング実践
3-1 東京ばな奈のトレースから学ぶ「ど定番」を作るマーケティング戦略
3-2 成城石井が「少し高くても選ばれ続ける理由」の裏側を読み解く
3-3 オニツカタイガーのトレースから学ぶ「しないこと」を決めるブランドマネジメント
3-4 ピックルボールのトレースから学ぶ「人を誘いたくなる」仕組み
第4章 AI時代のマーケティングトレースの応用
4-1 顧客理解力を発展的に鍛える
4-1-1 カスタマージャーニーマップをつくる
4-1-2 AIを使って顧客の行動を掘り下げる
4-2 戦略設計力を発展的に鍛える
4-2-1 歴史をたどり、選ばれ続けてきた理由を考える
4-2-2 独自資源を評価する(VRIO分析)
4-3 企画構想力を発展的に鍛える
4-3-1 3つの起点から企画を広げる
4-3-2 数字を置いて、企画の成立条件を確かめる
4-4 3つの力をつないで、未来のプレスリリースを書く
COLUMN AI時代に求められる「越境する力」
第5章 マーケティング思考力を仕事に広げる
5-1 「学んでから使う」から「使いながら学ぶ」へ
5-2 マーケティングは、マーケターだけのものではない
5-3 組織でマーケティングを考える場をつくる
5-3-1 組織にマーケティング思考力を浸透させる2つの型
5-3-2 【実践事例】東京ドームシティ
著者について
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株式会社なぞる 代表取締役/マーケティングトレース考案者
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デジタルマーケティング領域でキャリアをスタート。上場準備責任者・CFO、マーケティング責任者・CMOを歴任し、経営とマーケティングの両面から事業成長に携わってきた。2018年より、企業の成功事例から戦略を読み解き、自らの仕事に応用する学習手法「マーケティングトレース」を考案し、学習コミュニティを主宰。現在は、企業・ブランドのマーケティング戦略支援や人材育成・組織開発に取り組む。著書に『マーケター1年目の教科書』『マーケティング思考力トレーニング』(ともにフォレスト出版)。日経COMEMOキーオピニオンリーダー、NewsPicksトピックスオーナー。 -
三井不動産株式会社DX二部 兼 株式会社東京ドームマーケティング企画部
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マーケティングリサーチ会社で市場・顧客分析の経験を積み、データ分析を起点に、顧客理解、マーケティング戦略、事業企画、施策実行へと領域を広げてきた。現在は、データや顧客理解を事業の意思決定につなげながら、顧客価値、事業収益、現場運営を横断して、マーケティング戦略や部門横断の企画・組織連携を推進している。早稲田大学大学院経営管理研究科(早稲田大学ビジネススクール)修了。経営管理修士(MBA)。実務と並行して、データ活用やマーケティングを組織で機能させるための仕組みや組織のあり方を研究している。













